「顎が疲れる」と感じる4つの原因とその治し方

なぜか「顎が疲れる」と感じて、困っていませんか? スルメなどの硬い物を噛んだから、顎が疲れるとは限りません。顎が疲れると感じる原因には4つあります。原因別に対策が違いますので、ここでは、4つの原因とその治し方を紹介します。ご自分に当てはまるものがあるかもしれませんので、参考にしてください。

1.顎が疲れる4つの原因

1.硬い物を噛む

「噛む」ということは、歯と舌を使って食べ物を小さく砕いて、だ液と混ぜ合わせ、飲み込みやすいように小さな塊を作る事です。

噛む時には2つの大きな筋肉が関わっています。1つは噛みしめた時に頬の少し後ろの部分が膨らむ(咬筋)、もう1つは噛みしめた時にこめかみの少し上の側頭部が膨らむ側頭筋です。さらに、これらの2つの大きな筋肉に加え、顔の表情筋、首や肩の筋肉、そして舌も使われています。硬い食べ物を飲み込めるほど小さい塊にするには、これらの筋肉をかなり使わなければなりません。従って、顎が疲れると感じるのも当然のことかと思います。

2.睡眠中の歯ぎしり

朝、起きた時に顎が疲れていると感じる方が多いようです。こういう場合は、睡眠中の歯ぎしりが原因と考えられます。睡眠中の歯ぎしりの力は食べ物を噛む力の数倍と考えられており、また、30分から40分という長い時間、歯ぎしりが行われていると言われていることからも、昼間よりも大きな力が長い時間かかっていることがわかります。従って、朝、起きた時にはもうクタクタに筋肉は疲れているわけです。

3.下顎後退症(上顎に対して下顎が後退した位置で噛み合っている場合)

 

いわゆる出っ歯の方に多いのですが、上の顎に対して下の顎が後退した位置で噛み合っているので、食べ物を噛んだり、発音(しゃべる)したりする時に常に下顎を前方へ出さなければなりません。従って、常に顎を前方へ出す筋肉に負担がかかります。学校の先生のように長時間、話をする職業の方に見られることがあります。

鏡の前で、食べたり、しゃべったりしてみれば、下の顎を前へ出していることがわかると思います。自分でチェックしてみてください。

4.くいしばり

まず、唇を閉じてみてください。この時に上下の歯が接触(噛み合っている)している方は、くいしばりをしている可能性があります。また、鏡の前で大きく口を開けて確認してみてください。頬の内側の粘膜に歯の痕がついていたり、舌の横の面に歯のギザギザ痕がついている場合も、くいしばりをしていることが考えられます。

くいしばりは、昼夜、行われていると考えられますが、昼間は、仕事に集中したり、スポーツでボールを打つ時、あるいはストレスを感じている時に行われているようです。通常、食事での歯の接触はほんの数分ですが、くいしばりはかなり長い時間行われていることが考えられますので、顎が疲れると感じるばかりでなく、頭痛や肩こりなどの症状も出てくるわけです。

2.顎が疲れる原因別の治し方

1.硬い物を噛んだことによる顎の疲れの治し方

「現代人は顎が小さくなってきているから、硬い物を噛みましょう」と一部で言われています。これを耳にして、一生懸命にスルメなどを噛んでいる方がいるようです。しかし、子供の頃から軟らかい物ばかり食べてきたのに、大人になって急に硬い物を食べ始めることには無理がありますし、少々危険です。

約50年程前まで普通の家庭で食べられていたお惣菜(きんぴらごぼうやたくあんなどの野菜)を子供の頃から食べるように心がけてもらえば、それでよいのです。

硬い肉などを食べて、顎の疲れを感じてしまった場合は、まずは安静にすることです。筋肉を休ませてあげれば、回復するはずです。そして、日頃から、ガムなどを噛んで筋肉をリラックスさせながら、筋力アップしてください。(極端に硬いガムを噛むのはやめてください。)

2.睡眠中の歯ぎしりが原因の顎の疲れの治し方

睡眠中の歯ぎしりはストレス解消の役目も担っているため、一概に悪い習慣とは言えません。しかし、歯ぎしりには「良い歯ぎしり」と「悪い歯ぎしり」があります。悪い歯ぎしりであるかどうかを自分でチェックすることをができますので、確認してみてください。

悪い歯ぎしりのチェック ①起きた時に顎が疲れている ②詰め物がよくはずれる ③歯がかけたり、割れたりする ④歯の根もとにくさび状のへこみがある ⑤上顎の真ん中あたりか下顎の歯の内側に骨が隆起している ⑥頬の内側や舌の側面に歯の痕がついている

これらの症状がみられる場合は、噛み合わせの治療が必要です。

3.下顎後退症が原因の顎の疲れの治し方

下顎後退症(いわゆる出っ歯)を矯正して治すことです。上顎と下顎の前後的ズレを治せば、顎が疲れることはありません。矯正治療に入る前に下顎位をどこに設定するかを明確にする必要があります。出っ歯だから、単に上顎を引っ込めるのではなく、下顎が後退し過ぎているのであれば、下顎を前方位にするという考え方が重要です。

4.くいしばりが原因の顎の疲れの治し方

昼間のくいしばりに関しては、生活する部屋の目立つところにシールを貼るなどして、「くいしばらない!」ということを気づかせるという方法があります。睡眠中のくいしばりと違って、昼間は意識がありますから、この方法でくいしばりをしないようにすることはある程度可能です。

3.まとめ

「顎が疲れる」と感じて悩んでいる方も多いと思います。その原因を4つ紹介しましたが、睡眠中の歯ぎしりとくいしばりは、無意識下で行われているもので、自分の意志でコントロールはできません。ですから、良い歯ぎしりができるように噛み合わせ治療をする必要があります。また、下顎後退症の場合は健全歯が揃っていれば、矯正治療が有効と考えられます。

そして、「顎が疲れる」と感じる方のの中には、めまい、肩こり、呼吸困難、不整脈、動悸、便秘、下痢、生理不順などの様々な自覚症状を訴えるけれど、はっきりとした病気は見つからない(不定愁訴)場合もあります。不定愁訴は自律神経の乱れが原因と考えられます。自律神経の乱れは自分でも整えることができます。まず、オンとオフのある規則正しい生活を心がけてください。①朝、起きたらカーテンを開け朝日を浴びて、コップ1杯の水を飲みます。②昼間は仕事の合間に深呼吸や腕を回すなどの簡単なストレッチをします。③夜には38~40℃のぬるめのお湯につかり、リラックスして12時前には眠る。無理のない範囲で試してみてください。