咬合再構成とは噛み合わせを根本的に治すこと:必要な6つの検査

 「年齢を重ねて噛み合わせが悪くなってきた」とか「あごの関節の不調や肩こり」などが悩みで来院される方が増えています。なかには、「咬合再構成したい」と言って来院される方もいます。

 ここでは、咬合再構成とはどういうことかを説明すると共に、咬合再構成する前に絶対必要な検査を紹介します。また、いくつかの治療例も紹介しますので参考にしていただきたいと思います。

1.咬合再構成とは

 咬合再構成とは、噛み合わせを根本的に治すことです。虫歯のみ、歯周病のみ、歯並びのみの治療ではなく、親知らずを含む全ての歯と噛み合わせ、そして、あごの関節や口の周りの筋肉、首・肩などの筋肉への影響も含めて診査対象です。

 矯正して、「見た目はきれいになったけれど、あごの関節の具合が悪い」なんていうことにはなりません。矯正というのは咬合再構成の1つの手段であって、噛み合わせを根本的に治すことが目標です。咬合再構成の治療例としては、1)矯正のみ、2)補てつ(インプラント、かぶせ物、入れ歯など)、3)矯正+補てつなどの種類があります。

2.咬合再構成に欠かせない6つの検査

初めて来院された患者様とは、まず、充分な時間をとってお話をします。悩みや治したいことをおたずねします。さらに、病歴や全身的な問題などがあれば、お話しいただいた後に、検査へと進みます。

1.全身、顔、口の中の写真

顔写真 全身写真噛み合わせのずれがあると顔のゆがみ左右の肩の高さのズレがみられることがあります。そこで、口の中の写真ばかりではなく、全身、顔の写真も撮影します。

 

咬合治療時の基本検査

2.歯の模型製作および咬合器へのセット

歯科ではしばしば、歯の型をとって模型を作ります。しかし、その上下の歯の模型を手で持って噛ませるだけでは不充分です。上顎の模型が頭蓋に対して、どういう位置にあるのか、また、噛み合わせの状態も調べます。

咬合器

3.あごの機能検査(CADIAX)

歯を含めて口の機能は、咀嚼(噛むこと)だけではなく、発音、嚥下(飲み込むこと)、呼吸などです。

そこで、下顎の開閉口運動、前方後退運動、側方運動、発音、嚥下、咀嚼などをコンピューターで記録し分析します。

あごの動きを調べる検査

 

4.歯、頭蓋、あごの関節のX線写真あるいはCTスキャン

親知らずを含め32本の歯について、虫歯、歯周病の有無や歯の植立方向などについて調べます。

また、頭部X線規格写真により、頭蓋と上下顎骨の関係や形態について調べます。

そして、あごの関節の骨吸収や変形の有無についても調べます。

咬合治療時のレントゲン写真

 

5.歯ぎしりの検査

ブラックスチェッカーという薄いフィルムを歯に装着し寝てもらい、睡眠中の歯ぎしりについて調べます。

歯ぎしりはストレス解消の1つですので、決して悪いものではありません。

しかし、一部の歯のみに強い力がかかってしまうような歯ぎしりは避けなければなりません。

ブラックスチェッカー

 

6.筋触診

口の周りの筋肉や首から肩にかけての筋肉を触り、筋肉の張り、痛み、左右差などを調べます。噛み合わせにズレがあると筋肉に左右差が現れることが多いようです。

筋触診

 

3.咬合再構成の治療例

1.矯正のみ

矯正治療

 

2.補てつのみ

補綴治療のみ

 

2.矯正+補てつ

矯正治療と補綴治療

 

4.まとめ

 一般の方が、咬合再構成という専門用語を知っていることに驚きました。これは、「歯が痛くなり虫歯の治療を受ける」というようなその場しのぎの治療ではなく、健康維持のための嚙み合わせ治療が必要とされてきているということだと思います。

お口の健康は全身の健康の基礎です。嚙み合わせが悪ければ、食べ物を上手く噛み砕くことができず、胃の不調が起こるでしょう。また、前歯の形や方向が悪いと上手く発音できず、周りの人とのコミニュケーションに問題が起こるでしょう。

薬を飲むだけで治せる病気もありますが、嚙み合わせの治療はそう簡単ではありません。ここで、紹介した6つの検査は咬合再構成する前に欠かせない検査です。どこで、噛み合わせの治療を受けたら良いかわからない場合はこの6つの検査をしてもらえるかを尋ねてみてください。きちんと検査した後に治療の方法を説明してくれるような歯科なら安心です。