顎のずれの治し方と6つの必要な検査

女性が顎に手を添えている

 「子供の頃は、顎がずれていなかったのに、いつの間にか顔がゆがんでいた。」どうすればいいの?と悩んでいませんか?

 顎がずれる原因の80%は噛み合わせが悪いことです。ここでは、噛み合わせのどこが悪くて、どう治せば良いのかについて、そして、歯科での必要な検査について紹介します。顎のずれを治すには、どうすればいいのか解らずに悩んでいる方は、参考にしてください。

 

 

顎偏位の治療前後

矯正治療で顎のずれを治した例

1.顎がずれる原因と顎がずれる可能性

 「顎のずれを自分で治した」とか「整体で治った」という人の話をときどき耳にします。しかし、顎のずれの原因の80%は悪い噛み合わせです。ですから、噛み合わせを治すことが根本的治療です。

 噛み合わせは常に同じではなく、乳歯から永久歯へと年齢と共に少しずつ変化します。また、たった1本の虫歯の治療で歯の高さが0.1mm 変わっただけでも、噛み合わせが変わる可能性があります。

 また、40代、50代になってくると加齢によって、歯がすり減ることで、噛み合わせが少しずつ変わってきます。ずっと同じ噛み合わせではないのです。従って、今、顎のずれのない人でも、徐々に顎がずれたり、顔がゆがんでくる可能性があります。

2.顎のずれが引き起こす顎の関節の症状

 鏡の前でチェックしてみて下さい。

 ①頬の耳の穴の少し前辺りに人差し指と中指を軽く当てます。そして、口をゆっくりと最大開口して下さい。

 顎のずれがあると多くの人は顎がずれている側の顎の関節に違和感痛み雑音などの症状が現れます。

 ②ゆっくりと口を大きく開けてみて下さい。顎の関節に問題がなければ、下の前歯の真ん中は、まっすぐ下へ移動します。

 しかし、顎がずれている場合、顎がずれている側とは反対の方向へずれたりと横ぶれしながら、最大開口まで下方向へ動いて行くことが多いです。

3.噛み合わせのどこをどう治せば良いかを自分で簡単にチェック

 噛み合わせに問題があると、顎がずれてしまうことがよく起こります。そこで、噛み合わせをどう治せば良いのかを、自分で見極める方法を紹介します。

 鏡の前で、ずれている上下の前歯の真ん中をぴったり合わせるように、軽く噛んでみてください。

 右に顎がずれている場合は、右の犬歯の後ろの歯から奥歯にかけて、上下の歯が噛み合わずに隙間が空いていると思います。この隙間の分の高さが足りないから、顎が右にずれているのです。ですから、この高さ分、噛み合わせを高く治せば、顎はずれなくなるわけです。

4.顎のずれを治すために必要な6つの検査

 顎のずれを治すためには、必要な検査が6つあります。「歯科では顎のずれは治せない!」と言っているような方は、これらの検査を受けずに治療してしまった可能性があります。どんな病気の治療でも、必要な検査をきちんとしなければ、診断と治療計画が立てられません。ここで、紹介する6つの検査はどれ1つでも欠けてはいけません。この6つの検査を受けられる歯科医院を受診して下さい。

 ①顔、口の中の写真

口腔内写真

 

 ②咬合器に付着した模型:頭蓋に対して、どういう位置に上顎が付いているのか、またその上顎のどういう位置に下顎が噛んでいるのかがわかります。

咬合器

 

 ③顎の機能検査:下顎の開閉運動、前方後退運動、側方運動の量や質を調べ、顎の関節に問題がないかをチェックします。

あごの動きを調べる検査

 ④エックス線写真:パントモ(歯のレントゲン写真)で虫歯や歯の周りの骨の状態などを調べます。また、セファログラムという頭部エックス線規格写真で、顔面骨格形態を調べたり、正面セファロから左右の対称性をみることができます。

  パントモ写真セファログラム

 

 

 筋触診:口の周りや首から肩にかけての筋肉を触って、筋肉の張りや左右差をチェックします。顎のずれがある場合、自覚がなくても、触られると痛みを感じたり、例えば、顎が右にずれている場合、右の筋肉の張りがひどかったり、痛みがあることが多いです。

筋触診

 

 歯ぎしりの検査:ブラックスチェッカーという薄いフィルムを睡眠中に上顎に着けて、歯ぎしりを記録します。睡眠時の噛み合わせや歯ぎしりは、無意識ですが想像以上に大きな力で噛み合わせていることが多く、虫歯でなくても歯がその強い力で極端にすり減ってしまったり、ひびが入るなどの問題が起こりやすいです。

ブラックスチェッカー

5.まとめ

 顎のずれの原因の80%は噛み合わせに問題があります。従って、多くの場合、スプリントを使うだけでは治りません。スプリントはあくまでも応急処置であったり、筋肉の緊張を和らげたり、治療の方向性を確認するのが目的であり、治療ではありません。

 ここで、紹介した検査をきちんと受けられる歯科医療機関で検査をし、診断・治療方針の説明を受けた上で、噛み合わせの治療を受けていただきたいと思います。費用の問題はありますが、保険が効く検査には限界がありますので、安いという理由だけで選ばないで欲しいと思います。