矯正を始める前にすべき4つのこと、後にすべき3つのこと

 矯正治療を始めようとする前に、虫歯があったらどうすればいいの?と質問されることがあります。虫歯があれば、すみやかに治すというのが常識かもしれませんが、実は、歯の噛む部分の歯面形態まで変えてしまうような大掛かりな治療(クラウンやブリッジなど)は、矯正後にすべきです。

 ここでは、そんな矯正前にすべきことと、矯正後にすべきことについて紹介します。

1. 矯正を始める前にすべき4つのこと

1. 虫歯のチェック

 クラウン

矯正をする予定などなくても、最近では数ケ月に1度は虫歯のチェックや歯のクリーニングに通院している方が多いようです。しかし、日ごろ、そのようなケアーを怠っている方も矯正を計画した際には、虫歯のチェックを受けて下さい。歯と歯の間の見えないような部分に虫歯ができていることもありますから、必ずレントゲン写真でチェックしてもらってください。

 なお、虫歯の治療に関しては、歯の噛み合う部分の形態まで変えてしまうような大がかりな治療(アンレー、クラウン、ブリッジ)は、矯正前には受けないでください。応急処置を受け、暫間的な治療にとどめて下さい。悪い噛み合わせの状態でかぶせ物をしても、矯正治療中にはそれがかえって邪魔になることがありますし、治療後にはかみ合わなくなるからです。

歯並びによっては矯正治療に際して、抜歯が必要になる場合もあります。せっかく治療した歯が抜歯の対象になるかもしれません。

また、ひどい虫歯は治療しても長持ちしそうもないと思われれば、残すより抜歯をすることを前提に治療計画を立てる必要があります。

いずれにしても、虫歯の有無は治療計画に大きく影響を及ぼします。

まずは虫歯のチェックとともに、矯正治療のための検査を受けていただくことがよいでしょう。

2. 歯周病のチェック

 歯周病とは歯肉、歯を支える骨、歯の根などに炎症や破壊が起こることです。歯槽膿漏とも言われています。虫歯がなくても歯周病になってしまうと、その進行とともに、歯を支える骨が次第になくなってしまい、歯がグラグラになります。放置しているとその歯は抜けてしまいます。

 そこで、歯の見えている部分に大きな問題がなくても、歯の根や歯を支える骨の状態をレントゲン写真でチェックする必要があります。

3. 親知らずのチェック

 親知らずは20歳前後に生えてくるのが一般的ですが、スペース不足で生えることができずに、埋まったままの人も多いです。また、親知らずが先天的にない場合もあります。そこで、レントゲン写真で親知らずの有無や位置、方向について、チェックしておく必要があります。また、親知らずが生えてなくても、生えている歯を押して動かしてしまう程の強い力がかかっていることもありますので、注意が必要です。

4. あごの関節のチェック

 あごの関節に痛みなどの自覚症状がなくても、噛み合わせが悪いと、あごの関節に負担がかかっていることが多いため、あごの機能検査(CADIAX)やレントゲン写真、CT,MRIなどで、あごの関節の動きや形態変化の有無をチェックしておく必要があります。

2. 矯正後にすべき3つのこと

1. 最終的な虫歯の治療

 矯正の装置をはずして3ヶ月程経つと歯がしっかりしてきますので、虫歯の最終的な治療を受けてください。矯正前とは噛み合わせが変化していますので、この状態で歯の噛む部分の形態を決めることが重要です。

上下の歯がきちんと安定して噛み合うことが、きれいな歯並びを持続させることにもなるのです。

2. 歯周病のチェック

 矯正中は、歯が磨きにくいため、歯肉が腫れやすく、口腔内の環境はきびしい状態です。そこで、矯正後に改めて、歯の根や歯を支える骨の状態をレントゲン写真でチェックする必要があります。強い矯正の力によって、根が吸収して短くなってしまう危険性があるのも事実です。

3. 歯ぎしりのチェック

 

ブラックスチェッカー

矯正治療が終わり、虫歯の最終的な治療も済んだ後には、ブラックスチェッカーで歯ぎしりをチェックすることをお勧めします。歯ぎしりは自覚がなくても、たいていの方がしています。歯ぎしりはストレス発散に役立っていることがわかっており、決して悪者ではありません。

しかし、歯ぎしりには良い歯ぎしりと悪い歯ぎしりがあり、悪い歯ぎしりをしていると、噛み合わせが安定しなかったり、一部の歯が削れてしまったりしますので、良い歯ぎしりができているかをチェックする必要があります。

 

3. まとめ

 虫歯の治療は、噛み合わせに関係のない小さな治療であれば、矯正の前で問題ないのですが、歯の噛み合う部分や歯の形が大きく変わってしまうような治療(アンレー、クラウン、ブリッジなど)は、矯正治療後にするべきです。矯正前には虫歯が進行しないように応急処置をしてもらい、暫間的な治療にとどめておくことをお勧めします。

 また、矯正が終わると歯科へ通うのが面倒になりがちですが、ここで紹介したように、矯正後にすべきことがありますので、矯正が終わっても定期的に通院するという習慣を作ってもらえたら、良いと思います。