受け口の再発を防ぐために注意すべき3つのこと

受け口

 受け口の患者さんは3歳から大人まで幅広い年齢層です。従って、早ければ、乳歯列の頃に、治療を受けるお子さんもいます。そして、多くの患者さんは、中学、高校生の頃に治療を受けているようです。

 しかし、受け口の治療をした後に再発してしまう場合があります。ここでは、再発しないために注意すべき3つのことについて紹介しますので、参考にしていただきたいと思います。

1.舌癖

1)舌癖とは

 かるく口を閉じた時、舌の先は上の前歯のすぐ後ろの凸凹した部分にあるのが正常です。舌で前歯を押したり、上下の歯の間にはさんでしまうのが、舌癖です。

 舌癖があると下の前歯を押し出してしまい、受け口を再発してしまうことがあります。

2) 舌癖があるかのチェック方法

 ①リラックスして軽く口を閉じてみて下さい。その時、舌の先はどこにありますか?

 舌が前歯に触れていたり、上下の歯の間にはさんでいるようであれば、それが舌癖です。

 ②安静にしている時、舌は上あごのスペースあるいは下あごのスペースのどちらにありますか?

 正しい舌の位置は上あごのスペースにあります。舌が下あごのスペースに置かれていると舌の側面に歯の痕が付きますので、すぐわかります。

 ③ちょっとツバをためて、飲み込んでみて下さい。

 正しい舌の使い方ができていれば、舌が歯に押し付けられることはありません。

3) 舌癖の治し方

 MFT(口腔筋機能療法)という口の周りの筋肉のトレーニングによって、舌癖を治すことができます。正しい舌のポジション、発音の仕方、食べ物の飲み込み方などを練習し、覚えることで、受け口の再発を防ぐのに役立ちます。

2.呼吸 

 呼吸とは息を吸ったり、吐いたりすることです。誰もが自然に呼吸していると思いますが、その呼吸には、鼻呼吸口呼吸という2つの方法があります。鼻呼吸とは、鼻で吸って、鼻で吐く呼吸です。一方、口呼吸とは、「吸う息、吐く息のどちらか一方でも口で行う呼吸法」です。

1) 口呼吸が引き起こす問題

 口で呼吸することで、空気中のダニ、カビ、ホコリ、ウィルスなどが直接入ってしまいます。それにより、免疫力の低下や自律神経の乱れを引き起こします。そして、ドライマウス、アトピー性鼻炎、風邪、インフルエンザ、いびき、口の周りの筋力の低下などが生じます。それによって、受け口の再発も起こってしまうのです。

2) 口呼吸をしているかチェック

 ①唇の乾燥 ②口をいつも開けている ③口臭がひどい ④朝、起きるとのどが痛かったり、のどが渇く ⑤アレルギー性鼻炎などの鼻づまりがある ⑥下唇が上唇より厚い ⑦扁桃腺肥大がある ⑧舌を下顎のスペースに置いている、などの症状があるかどうか確認してみて下さい。また、口呼吸は自覚していないことも多く、周りの人に聞いてみるのも1つの方法です。

3) 口呼吸の治し方

 口呼吸を鼻呼吸へと改善するには、口の周りの筋肉を鍛えることです。「あいうべ体操」を紹介します。

 ①「あー」と口を大きく開く ②「いー」と口を横に広げる ③「うー」と口を強く前に突き出す ④「べー」と舌を突き出して下に伸ばす

 ①から④を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けてみてください。慣れるまで、この体操はかなり疲れます。2〜3回に分けた方が続けやすいと思います。

 また、睡眠時に口呼吸にならないためには、鼻腔拡張テープ口呼吸防止テープを補助的に使ってみるのも効果的です。

3.親知らず

 現代人の親知らずは、傾いて生えてきたり、半分しか生えてこなかったりと、きちんと生えて、噛めている人はほとんどいません。親知らずは4歳頃に骨の中ででき始め、7歳頃からレントゲンに白く映るようになります。生えてこなくても骨の中で18歳前後には出来上がります。

 受け口が再発した方の親知らずを調べると、口の中に生えていなくても奥歯を押し出すような方向に成長していることがよくあります。中、高校生で受け口の治療を受けた方は、親知らずがどういう方向に、どの程度の大きさになってきているかを半年ごとにレントゲン写真でチェックし、再発を防ぐために抜く必要があるかもしれないと思っていてください。

 また、場合によっては、歯がまだ軟らかいグミのような状態の時期(6〜7歳頃)に抜くこともあります。信じられないかもしれませんが、お子さんにとっては、この軟らかい時期の抜歯が最も楽です。

4.まとめ

 受け口の治療後の再発を防ぐには、舌癖呼吸親知らずが重要なポイントです。舌癖と呼吸については、矯正治療中からの筋トレによって、再発を防ぐことができます。しかし、舌の動かし方やポジション、そして口呼吸はどちらも癖や習慣であり、根気よくトレーニングしなければ、治すことができません。特に、お子さんには家族のサポートも必要です。親知らずに関しては、矯正治療が終わった後でも、定期的に親知らずの大きさ、方向をチェックしておくことが、重要です。そして、早めの抜歯が受け口の再発防止には有効です。