歯がグラグラする時に必要な治療と自分でできる1つの対策

 「歯がグラグラどう治療したらいいの?」と困っていませんか? 歯がグラグラするというのは、歯周病がかなり進行した症状の1つです。歯周病の初期症状は、痛みもなく、気づかないうちに進行してしまいます。ここでは、歯がグラグラするのを治すために必要な歯周病治療とは、どういうものかを紹介します。また、自分でできる対策についても紹介しますので、さっそく試していただきたいと思います。

1.歯がグラグラするのを治すための歯周病の基本治療

 歯がグラグラするという症状がある歯周病の場合、治療にはかなりの時間が必要です。根気強い治療と日々の丁寧な歯磨きが必要です。

歯周ポケット検査1.歯周病の検査

 歯周病は初期には自覚症状がないことから、徐々に病状が進行してしまい、治療が手遅れになることがあります。そこで、まず、検査をして、歯茎や歯を支える骨の状態を調べることが必要です。

 ①歯肉の腫れの有無

 ②歯肉の出血の有無

 ③歯周ポケット(歯と歯肉の間にある溝)の深さ

歯周ポケット

④歯の動揺度(どの程度グラグラするか)

⑤歯の周の骨のレントゲン写真

パントモ写真

 

2.ブラッシング指導

 歯の磨き方には癖があります。磨き残しがある部位は常に同じであることが多いのです。そこで、歯垢の染め出しをして、磨き残しの部位を患者さん自身が覚えて、常に意識して磨くことが大切です。また、歯ブラシに加え、デンタルフロスやインターデンタルブラシなどの道具を利用することもあります。

歯垢の染めだし デンタルフロス インターデンタルブラシ

歯周病の主な原因は、歯垢に含まれる細菌ですので、歯磨きが上手くできることがとても重要です。

3.スケーリングとルートプレーニング

 歯垢(プラーク)は、放置されると歯石になります。そうなると歯ブラシで取り除くことはできません。そこで、スケーラーや超音波スケーラーなどを用いて、歯垢や歯石を取り除く必要があります。

4.噛み合わせの調整

 ブラックスチェッカー噛み合わせに問題があると一部の歯にのみ大きな力がかかることで、歯を支える骨が溶けて、歯がグラグラになってしまうこともあります。そこで、咬合紙やブラックスチェッカーで噛み合わせのチェックをし、調整する必要があります。

 

5.定期的な予防治療

 歯周病は生活習慣病でもありますので、3ケ月に1度は歯科医院で、磨き残しのチェック、歯垢・歯石の除去などの治療を受けて再発を予防する必要があります。

2.自分でできる歯周病対策

1.歯垢(プラーク)を残さない歯磨き

 歯周病の原因は歯垢に含まれる細菌ですから、すみずみまできれいに磨いて、歯垢(プラーク)を残さないことことが重要です。歯の重なりがある場合は、インタースペースブラシや歯間ブラシやデンタルフロスなどの道具を駆使して磨くことも必要です。

2.定期的な歯科受診

 歯周病の初期は、自覚症状がないために気づきにくく、病状が進行してしまうことが多いです。そこで、大人の場合は、3ヶ月に1度は歯科を受診し、虫歯とともに歯周病のチェックを受けることをおすすめします。そうすれば、歯がグラグラになる前に対策することが可能になります。

3.まとめ

 成人の約80%が歯周病と言われています。歯周病は口の中の病気にとどまらず、糖尿病、脳卒中、心臓病、肺炎などの全身的病気を引き起こす可能性があるということがわかっています。歯がグラグラする時には、すでに歯周病は進行していると考えられますので、すみやかに歯科を受診することをおすすめします。放置すると歯が抜けてしまう可能性があります。そして、自分でできる対策は、歯垢を残さないように歯磨きすることです。歯を失わないために、日々、一生懸命磨いてください。今まで、きちんと磨けてなかった方はたった1ヶ月でも大きな改善がみられるはずです。頑張ってください。

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